好きなのか。一人になりたくないだけなのか。 【episode7】
彼との出会い。
もともと私は営業職。接客の、営業。
そう、アルバイトから社員になった。それと同時に、新規子会社立ち上げに携わった。
といっても、そんなかっこいいもんじゃなくて、ただその子会社の社長と役員に気に入られてたから![]()
エクセルやワードは、本を見たわけでもなくて、必要に駆られて覚えていった。
せっかちな性分な私は、難しい計算式もどんどん覚えていった。
社会人になって、セキュリティ万全、ネットのインフラ環境もばっちり。
なんだかキラキラなオフィスで、社長直属の専任事務をこなす事が誇らしくて楽しくて仕方なかった。
本社勤めになる2、3か月前、彼氏と別れていた。
それまでもこの頃も、私はなぜか恋愛が長続きしない。。
気が強いわけでも、なよなよしているわけでもない。
ケンカ別れもしたことないし、別れて泣いた事もない。サバサバ系だから、別れもサバサバ。
毎日終電で大阪から京都に帰って、コンビニでおにぎりとかパンを食べる超不規則な生活、
それでも、日々は充実していて、不安なんかほとんど感じてなかった。
そんな時、同じ会社で営業をしている、彼と出会った。
でも、会社では業務的な内容を一言二言話すだけのやりとり。
私はとくになんとも、思ってはいなかった。たぶん、彼もそうだったと思う。
みんなでたまにする飲み会でも、隣になることはなかったし、喫煙所で会話するくらいの関係。
ある時、ふとしたお客さんの対応のお礼に、ご飯に誘ってもらった。
今考えると、彼をよく知る今だからこそ思うのは、これってすごいこと
だった。
彼が女の子を食事に、しかもお酒があるところに誘ってくれるだなんて。
全くお酒が飲めない彼だからこそ、今、何で彼は誘ったのか、今でもなんでだったのか。。
とはいっても、口約束。お互いに忙しいのもあって、お誘いからずるずる時間が過ぎて。
結局、彼の転勤が決まって、引っ越しまでもうすぐって時に、もう一度誘ってくれた。
私の終電もあるから日付が変わる前には電車に乗るつもりで、
彼の選んだ、ミナミのおしゃれなバーに行った。
二人で席を並べるとすぐに、お互いいろんなことを話した。
今までほとんど意識してなくて、年だって随分上だし、4年別居中とはいえ、奥さんもいる。
だから全然緊張する必要も、気取る必要もない。
食べ物もおいしくて、彼はゆっくり、私はまぁまぁ、お酒もすすんで。
気がつくともう時間。もう少し話してたいのに。
私には大阪に住んでる兄がいる。ミナミ近辺なので、兄宅に泊めてもらおう。
そう思った。。。。。のは、ほんの1時間くらい。
別に付き合うわけじゃないし、今日はいいじゃん。お酒で頭もぼやけた私が彼を引き留めた。
恥ずかしいくらい軽い女でした。もう恥ずかしくて一生しないだろう恥ずかしき積極性。
風邪気味でのどぬーるスプレーを頻繁に使う彼を困らせた事でしょう。。。
それでも、始発で京都に帰るつもりは200%あった私。
何がしたいのか不明だけど、もう一軒!と思ってたのか、彼の服を脱がせたかったのか。
たぶん彼はマジで仮眠のつもりでミナミのすぐ近くのラブホへ行った。
のどぬーるを何度もつけるほどその頃には彼の体調は悪化(笑)
「マジで寝るからね。」そういう彼。
私もウトウト。でも、この不自然すぎるシチュエーション。私が襲った形になりました。
結局ぐっすり寝てしまい、京都になど帰れるわけもなく、簡易メークで出勤。
すっかり酔いがさめると、以外に全部覚えてて、なんて事だと反省しながらも、
通勤ラッシュの地下鉄で、気持ちを切り替える自分が恥ずかしくもたくましい。
それから、元の忙しい日々に戻り、「1日だけのふたり」と割り切れた私。
1週間程して、彼の転勤前日、突如決まった『お別れ飲み会』が開かれることに。
この日私は前から決まってた、大学の頃からの仲良し男女4人組で久々に梅田で会うことになってた。
じゃ、元気でね~って普通に言葉を交わして私は早めに退勤。
久々に会う友達との会話はまぎれもなく楽しくて、いっぱい笑っていっぱい飲んで。
友達(女)の突然の仕事の呼び出しで、意外と早めに解散することになった。
「まだ22時にもなってない。。ちょっと向こうも見に行ってみようかな。」
女の子が私以外には1人しかいない組織だったから、
ちょっと様子見に、『お別れ飲み会』へ。
来月から私が住むことになってた、会社にとても近いビルの1階にあるお店。
よく使う、居酒屋チェーン。よくこんな所に住むよなってみんなに言われたけど、
お仕事が楽しかった私にとっては、たくさん寝れて、すぐ帰れる、サイコーの立地。しかも新築。
それはそれとして、もう結構顔がゆるんでほっぺが赤くなった営業さんの群れを見つけた。
「ちょっとだけ顔出しに来たっ☆」
何杯か飲んだ後、次の日引っ越し業者が来る、彼を含めた転勤組のために早めに切り上げる事に。
ここで私、家具も何もない自分の住む事になったマンションに忍び込んで、ごろ寝してやろうと考えた。
今日こそは一人で。
帰ってゆくみんなに手を振って、真隣のコンビニに向かう私。
お茶を選んでいると、後ろに、さっきまで一緒に飲んでたハゲ課長。。。。。。
ナンスカ。。。。。??笑顔で構える私。
ただのハゲ課長から、ただのブサイクエロハゲ課長にモデルチェンジしたおっさんは、
どうやらまだ一緒に酒を、しかも私のピカピカな新居で飲もうと言いだした。
「いやいや、帰れますやん(笑)みんな行っちゃったんですか?電車ありますやんか。」
私も必死だ。
この、ブサイクエロハゲ課長、私がこの頃気に入ってつけていた香水『GUCCI rush2』とは
似ても似てない『GUCCI rush』をつけていた。
私から言わせれば、全然、びっくりするくらい全然似てない、
強くて、私にはややクサイとすら感じるこのニオイ。
こいつのせいで私はrush2を封印した。
そんなおっさんと一緒になんかいられるか!完全にエロ目やん!
さっさとコンビニで酒を選び、「何もしませんヨ~♪」とかなり強引なおっさんに
身の危険を感じ、同僚の奥さんが迎えにきた車で送ってもらってる彼に、メールをした。
「M君と一緒?ちょっと帰ってきてくれへん?ハゲが残ってて部屋に一緒に来るって酒買ってる。。」
すぐに電話が鳴って、部屋に上がった頃に彼が来た。
とりあえず安心。意外と簡単に寝た(フリ?)をしたハゲからやや遠い所に座って、
彼と他愛もない話をしながら陽が昇るのを待つ。
そして、地下鉄の始発の時間になった。
酒臭い、ブサイクエロハゲチラカシ顔がツチイロ親父を揺さぶり起こし、電車に乗る。
梅田で乗り換える私と彼。
電車降りてからはこれでもかってくらいハゲ課長の悪口を言いながら、私の乗る阪急まで送ってくれた。
「じゃ、ここで。ありがとうね。今日引っ越しの荷造りだよね。ごめんねなんだか(笑)名古屋でも元気で。」
手を振って阪急の改札口をはいり、電車に乗り込む。
ドラマチックな展開なら、電車が動き出す前に何かが起きるもんだけど、
起きるわけがないし、変な緊張が解けて一気に眠たくなったので普通に椅子に座って目をつぶる。
すぐに電車は動き出し、梅田・・中津・・十三・・・・・・淡路・・10分もかからないくらいだろうか。
淡路に着く前に、メールの着信で携帯が鳴った。
『もっと一緒にいたかった。戻ってきてほしい。』
何かが私を突き動かした。
あまりに突然で、でも胸が高鳴って、目もぱっちり覚めていた。
淡路で駆け降り、逆方向の電車に飛び乗る。
梅田までの10分、たくさんあいている椅子に座る事もなく、改札に一番近いドアの窓際に立つ。
ホームに着くとすぐ、改札の向こうに小さく待つ彼が見える。
改札を出たら一直線に彼のもとへ。さっきまで一緒に笑って話してたのに、
さっきまであんなに近くにいたのに、やっと会えたような気がした。
抱きついて、キスをする。恥ずかしいから2回だけ。
だけど、こんなにやさしい顔をした彼を、こんなに近くで見る事が出来た。
好き。
好きになったんだ。私。
私が先なのか、彼が先なのか。
いつ好きになったのかなんてわからない。でも、もうとっくに好きだったのかもしれない。
今日が荷造りで、明日が引っ越し。
いきなりの遠距離恋愛が、スタートした。
これが、もう4年も前の事だけど、今でも鮮明に覚えてる、彼との出会い。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。つづく。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
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